病気をすると
地球がいつもの二倍の速さで
回転しているのがわかる
人の乗っていない
列車と航空機と宇宙ロケット
それらはみな自転する地球につれて
走っているのに
人間だけがそのスピードから
とり残されている
健康なものには
それがわからない
地球とともに回るのは
機械と死者だ
「小さなベッド」より
まるで、何十年も前の詩人が傍らに座って僕たちに語りかけるような、私
たちの未来をどう生きているのだいと聞いているような、そんな詩集。
武村志保詩集「十一年」風社
1966年9月 限定300部
スレヤケ有・全体的に古本感があります。
けれどそれもこの本には似合っていると思うのです。